一口に「トレーニング」と言っても、その目的によって中身は大きく異なります。「脂肪を減らして引き締めたい人」と「競技パフォーマンスを上げたい人」では、体の使い方も刺激の与え方も全く違います。今回はその中でも、「SSC(ストレッチショートニングサイクル)のトレーニング」と「ダイエットのトレーニング」の違いについて書いたコラムになります。
SSCのトレーニングとは?

SSCトレーニングは、筋肉が一度伸びたあとに素早く縮む性質を利用していくトレーニングです。
ジャンプ・ダッシュ・スイング・投球など、瞬発力が求められる動きの多くがこのSSCの仕組みを使っています。
たとえばジャンプをする前にしゃがみ込むと、高く跳べます。
これは、しゃがんだ瞬間に太ももの筋肉が伸ばされ、その反動(弾性エネルギー)を利用して一気に縮むからです。
SSCでは主に以下の3つが関係しています。
1. 弾性エネルギー(筋肉・腱にためられるバネの力)
2. 伸張反射(筋肉が急に伸ばされたときに反射的に収縮する反応)
3. 神経系の協調(動作全体のタイミングと連動)
つまり、SSCのトレーニングは“強くなる”というより、「速く」「効率よく」力を出すためのトレーニングです。
ダイエットのトレーニング
ダイエットのトレーニングは、体脂肪を減らし、代謝を上げることが目的です。
筋肉をつけて基礎代謝を高めたり、全身を使うことで消費カロリーを増やしたりします。
そのために多くの場合は
• ウェイトトレーニング(スクワット・プランクなど)
• 有酸素運動(ウォーキング・バイク・エアロビクスなど)
• サーキットトレーニング
などを組み合わせます。
重要なのは「継続できる強度で、長期的に脂肪を燃やすこと」です。
一瞬のパワーではなく、時間をかけて体を変えていくのが特徴になります。
狙う筋肉・神経系の違い
SSCのトレーニングとダイエットのトレーニングでは刺激を与える対象が違います。
目的 | 主なターゲット | トレーニングの特徴 |
SSCのトレーニング | 筋肉+腱+神経(神経系の反応速度) | スピード・反射・瞬発力を高める |
ダイエットのトレーニング | 筋肉+代謝(エネルギー消費) | 消費カロリーを上げ、脂肪燃焼を促す |
SSCでは「神経の反応」を鍛えるため、少ない回数で素早い動きを重視。ダイエットでは、「代謝UP」を狙うために多回数で全身を動かすことが中心になります。
内容の違い(具体例)
SSCのトレーニングの例
ジャンプスクワット

しゃがんでから一気に飛び上がる動作で、下半身の瞬発力と地面を押す力を高めます。
太ももやお尻の筋肉を素早く伸ばして縮めることで、SSCの弾性エネルギーを効率的に使う感覚のトレーニング。ジャンプの高さだけでなく「いかに速く反発できるか」を意識することで、スプリント動作にもつながります。
クイックリフト
バーベルを勢いよく引き上げる「クリーン」や「スナッチ」は、SSCの要素を強く含む全身運動です。しゃがみ込んでから爆発的に立ち上がる動作は、全身の連動性・下半身から上半身への力の伝達効率・瞬発的な出力を鍛えます。特にアスリートや競技者にとって、地面反力を素早く力に変える能力を磨く上で非常に効果的なトレーニングです。
ダイエットのトレーニングの例
スクワット
下半身を中心に大きな筋肉を動かすことで、カロリーを多く消費し、代謝を上げやすい基本種目です。特に、太もも・お尻といった大きな筋肉を動かすことで、全身のエネルギー消費を高めます。正しいフォームで実施することで、姿勢改善やヒップアップの効果も期待できます。
ランジ

片側ずつ交互に動かすことで、体幹の安定性と下半身の筋持久力を鍛えます。左右バランスを整えながら、お尻・太もも・内ももをしっかり刺激していきます。日常動作の「歩く・階段を上がる」などの基礎代謝にも直結します。
SSCのトレーニングでは痩せない?ダイエットのトレーニングと分ける理由
SSCのトレーニングは、ジャンプやスプリントなどの瞬発的な動きを繰り返していきます。そのため、高強度の運動で消費カロリーも高いという特徴もあります。SSCのトレーニングを継続すると脂肪が減り、見た目が引き締まる効果も得られます。
しかし、それだけではダイエットとしての成果は限定的です。
エネルギー消費の「持続時間」が短い
SSCのトレーニングは一瞬の瞬発的な力を出すトレーニングです。そのため、1回あたりの運動時間が短く、脂肪を長時間燃やす有酸素的な効果が少ないです。一方でダイエットのトレーニングは中〜長時間、安定して心拍数を上げることで脂肪をエネルギーとして使い続けることができます。
神経系の刺激が中心で代謝UPは二次的
SSCは「神経の反応速度」「筋肉と腱の連動性」など、体の反応を高めるトレーニングが主な目的です。
その結果、筋肉が引き締まって代謝が少し上がることはあっても、代謝を維持する筋肉量の増加にはつながりにくいです。
ダイエットのトレーニングでは、筋肉を使い続けてエネルギーを消費し、基礎代謝を底上げすることを狙っています。
継続性・安全性の違い
SSCのトレーニングは強度が高めです。早い動作をしたりするため、フォームやタイミングがずれたりすると膝や足首などに負担がかかりやすいという注意点があります。
一方でダイエットのトレーニング(筋トレや有酸素運動)は、強度やスピードをコントロールしやすく、日常的に継続できるという大きなメリットがあります。
「続けられる運動」であることが、結果的に最も脂肪を減らす近道になります。
まとめ
SSCトレーニングは「動ける身体」をつくり、
ダイエットトレーニングは「燃える身体」をつくっていきます。
どちらか一方ではなく、まずはダイエットのトレーニングで土台(基礎代謝)を整え、
そこにSSCの要素を加えることで、引き締まって動ける理想の身体に近づいていきます。
SSCでも脂肪は燃えますが、それは瞬発的な爆発燃焼型で
ダイエットのトレーニングは持続的で代謝を底上げする燃焼型と言えます。
どちらも“痩せる”効果を持っています。
• SSC → 競技力・動作スピード・引き締まった見た目
• ダイエット → 体脂肪減少・体質改善・健康的なスタイル維持
というように、目的と得られる結果の方向性が違います。
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aLLパーソナルジム 清澄白河このコラムを書いた人
・aLLパーソナルジム 清澄白河 パーソナルトレーナー金子 竜太

資格
- NSCA―CPT
aLLパーソナルジム 清澄白河 パーソナルトレーナー 金子 竜太メッセージ
大手フィットネスクラブやパーソナルジムでトレーナーとして年間1000セッション以上のボディメイクを中心に指導中。自身でも-17㎏のダイエットを行いフィジーク大会にも出場。様々なメカニズムと経験を元に指導していきます。
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